こんにちは、キコリのよつつじせいごです!
2024年4月27日(土)に開催した「京北に集う-植林とトークイベント-」について書きます。
建築士会のみなさんを中心に、参加いただいた10名と、スギ苗400本を2時間半で植林が完了しました。
来年も現場を確保して開催したいので、山の仕事や木に関心を持っておられる方はぜひご覧ください。
ここからは、長文になりますが当日のレポートです。
目次
当日、集合の30分前から、私はソワソワして事務所でウロウロしていました。
「人前でうまいこと話せるやろうか?そもそも木を植えること自体の指導ができるんやろうか?」
こんな不安な気持ちを、ベアーズウッドプロジェクト代表・吉田さんと話し合っていました。
集合15分前になると、今回のお客さまである建築士会のメンバーのみなさん、今回の植林イベントを主催してくださった辻井木材の北野さんと丹波さん、カメラマンの山口さんが続々と到着され、私の緊張はピークに達しました。
みなさん今日を楽しみにしててくれはったと聞くと気持ちが高ぶります。
自己紹介をした後、そろそろ現場へと向かうことに。
木を植えることについて、私が長々と説明するよりも、体を動かして感じてもらった方がいいので、手短に植林作業について説明しました。
今回植林するのは、スギ苗400本です。
10人でお昼までに植えなければなりません。
スギ苗は小分けに束にされています。
初めて見る生のスギ苗に興味津々の建築士会のみなさんの表情が新鮮でした。
建物に使われる木材は、この姿、この質感で育っていくと感じてくださりました。
以上が植林の流れです。これを山の斜面で行います。
「思ったよりもカンタンやん」「腕が鳴るぜ」みなさん気合十分です
クワを人数分用意して、さぁ作業開始です。
まずは現場にスギ苗を搬入します。
スギ苗を現場の各ポイントに間配って、植林作業開始
一旦作業が始まると、みなさん真剣な表情で黙々と植えていかれます。
表情から真剣さが伝わってきます。
日常生活ではあまり遭遇しない急斜面ですが、
みなさん楽しんで作業してくださりました。
作業も終盤になりますと、本当に真剣で話している人は少なく、各位がゾーンに入っておられたのを感じました。
みんなで一緒に作業をすると、朝に出会ったときよりも、自然と話しかけやすくなります。
今回のことをぜひ、これから建物たてるお客様に話してくださったら嬉しいです。
植林作業は斜面の勾配でハードですが、作業自体はそこまで難しくありません。
一般の方でも慣れていただければ、作業ができるようになります。
作業完了後に皆さんと記念撮影をしました。
「木のことを知り、もっと使って欲しい。」
(もし高飛車な声に聞こえてしまったら、大変申し訳ないです。)
木も含めたくさんの材料を使って、建物を設計して建てられている今回の皆さま。
木がどこから来ているのか?どんな環境で育っているのかを、知ってくださっただけでも、今後のお仕事にとても良い効果があるのではないでしょうか。
もし私が家を建てる際にお願いするのならば、「木を植えたがことある」、木のことを知っている設計士さん、建築士さんに建ててもらえたら嬉しいです。
人が少しずつ思うだけでものすごく大きい流れになるもので、木で家を作る人、木を使う人が増えたら、木を加工する人、木を生産する人が「植えようかいな」となって生産地が良くなります。
良い循環の土台が、今日の交流からはじまります。
建築士会・原さま
「想像していた以上に深く学べる1日となり、これから実務に活かすとともに、建築士会や色んな形で輪を広げていけたらと思います。」
建築士会・秋山さま
「すごく楽しかったです。意見交換会でのお話も大変勉強になりました。今後もこのような情報交換ができると、とても嬉しいです!」
主催の辻井木材株式会社・北野さま
「大変お世話になりました。植林の作業は想像以上に大変でしたが、本当に楽かったです。いろいろとご準備いたたきましてありがとうございました。」
とても嬉しいお言葉をいただきありがとうございました。また山へ足を運んでくださいね!
現在、日本では伐採跡地の40%が植林され、残りは植林を放棄されています。
(※自然が大切という意味はもちろんありますが、ここでは割愛させていただきます。)
この状態を嘆くのは簡単ですが、逆手に取ると今植えられている木が少ないという事実があります。
少ないものの価値が高まるのが世の常であり、70年後以降は、木が少ないから価値が出てくるのです。
上の図で見ると、現在いかに木が植ってないかがわかります。
木は人間世界の経済の波とは関係がありません。
今日植えていただいたスギの木は、毎日すくすく育ち、その価値を地道に増やしていきます。
これから先、日本では人口が減っていきますが、世界は人口が増えていきます。
人は豊かになると、必ず生活空間に木を使いはじめます。木はこれからも人間が暮らす限り必要なのです。
人口が爆発的に増えるアジアの中でも、日本には木がある!ときっとチャンスが巡ってきます。
70年後以降の未来の子孫に地元でのチャンスを繋いでいく。これが地元の山の循環です。
そして、「地元の木を地元で売って、地元に利益を回して、地元の山林を次世代につないでいく」ことが、私たちの理念です。
今後もこのような企画をしたいので、これを見て関心を持っていただいた方は、ぜひご参加ください。どうぞよろしくお願いいたします。