こんばんは、四辻木材の四辻セイゴです。
前回のブログ記事でもお伝えしましたが、先日『TSUNAGARANIGHT VOL.5』で登壇させていただきました。
人前で発表する前はゴッツ緊張しておりましたが、皆さんに喜んでもらえたようでホッとしております。
TSUNAGARA NIGHT(ツナガラナイト)という名のコンセプト通りに、大勢の方との“つながり”を作らせていただきました。
みな真剣に仕事のことを聞いてくださり、山の中で暮らしているだけでは、絶対に出会うことがないみなさんと繋がれました。
これから少しずつでもお互いの関係性を深めていきたいです。出演せていただいたこと、とても感謝しております。
中井さん、江口さん、ほんまにありがとうございました。
さて、今回はイベントのレポートになります。TSUNAGARA NIGHTに参加できなかった各方面の方々から「資料をみせてほしい」、「イベントのレポートを書いて欲しい」とリクエストをいただいたので、レポートをすることにしました。少し長くなりますがぜひご覧ください!
まずは簡単な自己紹介から。
こんばんは、木こりでございます。
四辻 誠悟(よつつじ せいご)と申します。
四辻木材の現場責任者で、祖父の代から京都・京北で営んでおります。ただいま三代目親方に立候補中です。
京都造形芸大卒業後、フリーター→植木屋を経て→2005年より現職。
1980年生まれ・38歳・A型の乙女座で、妻と3人の子どもと猫と実家の離れで暮らしております。
京都市の50キロ北にある町、京北からやって来ました。
大阪の皆さんから見ると、淀川の源流ですね。
淀川を京都方面にどんどん遡っていったところに、私がいます。
毎日こんな作業現場で、
木こりの仕事ってどんな仕事?
簡単にいいますと、
山主さんの山に立っている木を、
買取らせていただき、
伐採して、搬出し、原木市場へトラックで運び、
原木市場で、街の材木屋さんに、木を売る仕事です。
(※山主さん=山の持ち主)
ここから私の顔が難しい顔になっていくので注意してください。
日本中の原木丸太が動いて発生してるお金がおよそ2000億円です。
これは、LINEさん一社の売り上げよりも少ないんです。
原木のメインの需要はやはり建築。
その建築も少子高齢による人口減少の影響を受けて、2030年には国内の新築は60万戸を切ると言われており、大手ハウスメーカーはどんどん海外へ商圏を広げていきます。
日本国内はめちゃめちゃ良い注文住宅と、リフォーム中古住宅で格差が現れます。
先細っているので建築以外の開拓が必要です。
現在、国産材自給率34.8%。
7割は外国産材なんです。
一般的によく言われているのは、昭和39年の木材の輸入自由化が原因で、国産材の値段が下がり始めたという、いわゆる外国産材が日本の林業を衰退させた説。
これ本当にそうなんでしょうか?
高度成長始まりの住宅建設ラッシュで木材価格が高騰して年々上がっていきました。
木が高いから国内の山は伐採されまくった。
戦争中に軍事目的で伐採されていて、在庫の残りが少ないのに、追い打ちをかけて、さらに伐採していきました。
(木を深夜に伐採して盗むケースも出たそうな。)
この異常事態を外国産材の輸入解禁で止めたと言われており、国産材滅亡の危機を外国産材が食い止めた説があります。
木材だけは、この時代からTPPが行われている状態なんですね。
こういう難しい話をすると、どんどん顔がこわばってしまうんですが、中井さんの『顔、怖くなってますよ』の合いの手で、我にかえることができました。
これは個人的な考えなのですが、外国産材が入って来てても、日本の木(スギ・ヒノキ)はバブル期、平成元年まで高く、そこから緩やかに下降していきます。
※現在の三倍近くの値段が相場でした。(現在1立方メートル/¥10,000〜)
下降イコール衰退。
その時代、私たちの業界の人は、一般のお客さんに木のことを説明不足やったんとちゃうかな?と思ってしまうんです。
値段だけでやってたように感じてます。
だから若い人たちと日本の木がこんなに隔たってる。
そういう内的要因あるんじゃないのかな?と思うんですが、そんなことを言っても仕方がありません。
だったら、今からもっと人と木が近い存在にならないものか、ずっと考えています。
以前に登壇させていただいたMTRL京都でのイベントで知り合った堤さん(堤浅吉漆店)、彼は漆(うるし)職人で、サーフボードやスケボーに漆を塗っている活動をされています。
お互い業界の話や意見を交わす中で、何かしら一緒にできないかと話し合い、現在プロジェクトを計画しています。
(※詳細は追って弊社のWebサイトでもお知らせしていきますね!)
きっかけとなったイベントの記事もあわせてどうぞ
ここからは、視野の狭い木こりの思い描く未来です。
・5Gによる自動運転普及によって、社会はどう変化するんかな?
車が事務所のようになって、移動しながら仕事するようになるのではないですか?
人は水と空気が美味しい田舎と都会を行ったり来たりになると思います。
・街中のあそこを木にしたい
コンクリートや鉄の部分を木にしたい。
ガードレールや電柱も木の方が良くないですか?
壊れやすい、でも壊れたのを治す仕事が生まれます。
何より街が木でできているってすごく良い雰囲気やと思います。
ほんまそう言ってくれることが希望です。
そういう木が好きな人たちと、『都市で働く皆さんと田舎にいる私たちで新しい仕事作りたい。』んです!
クリエイターやものづくりに携わっておられる方には、京都の木を使ってほしいのですが、だからと言って「いきなり街に木をもってきて〜!」といわれても正直なところ難しい・・・のが本音です。
私から「みなさん木を使ってください〜!」と言っても難しいことは重々承知しております。
なので、声を大にして言います!
「まずは気軽に京都・京北の山まで、林業の現場を生で見に来ませんかー!?」
と、お誘いさせてください。ぜひ山の中を案内させてください。そして、試しに林地残材を使って、一緒に商品のアイデアを考えませんか?あなたと一緒に悩んで商品を作りたいです!
まずは、いつでもお問い合わせフォームもしくは、facebookのメッセンジャーからお声がけください。
長文になりましたが、最後まで読んでくださったあなたと繋がりたいです。ほんまにありがとうございました!