こんばんは四辻木材のよつつじせいごです!
先日、春の植林の準備のため、シカ侵入防止ネットの資材を担ぎ、山を往復していて、思ったことです。
棒は1束10kgで、ネットは1束20kgくらいあります。これが結構重いんです。
今回は、重い荷物運びをしている際中に、日本人の良いところが見えたお話です。
木こりは、昔から人力で重たいものを、山に運び上げています。現在でもそういう力仕事をやっています。
抱いたり、肩で担いだり、頭上に乗せたりして運んだり。
いわゆる単純労働で、AIに取って代わられる力仕事だと言われ、現代では嫌な仕事とされています。
そんな嫌な仕事の中でも学びがありました。
重い物の運び方を教えてもらわなくても、繰り返すことで、「誰もが一番効率的な形を探して頭使う。」ということです。
その人の中で、自然な体の使い方を見つけるんです。
バガボンドっていう漫画ご存知ですか?
その中で私の好きな場面があります。(第4巻)
物語の初期で、少年時代の宮本武蔵が山で暮らすなか、剣を振り回してるシーンです。
こんな言葉が書かれています。
師などいらん
この山のすべてのものに 目を開き
すべての音に 耳を澄ます
鼻を 口を 皮膚(はだ)を
俺と山は ひとつになる
心の中も 山になる
そうしたらーーー
(敬中略)
師などいらん
どう振るか どう斬るかなんて
刀が教えてくれる
バガボンド/井上雄彦、第4巻(モーニングKC・講談社)より引用
その時に武蔵が見つけるのが、“理”。
私は武蔵の言う”理”とは、自然の動きという意味であると解釈しています。
理、自然の動き。
これは日本の技術の根底にあると思います。
日本の道具は、この自然の動きを最大限の力にするためにあって、力は体に近いほど発揮されます。
ノコギリを例に出すと、
反対に、諸外国の道具は押す動き
全く違います。
私たち日本人の体にとって、どちらが自然と動けるのか?もうお分かりですよね。
実は生活のなかでもなんとなく感覚的にわかることがあります。
肩の力、手の力は抜けているのに、落ち着いた呼吸で動作をする時ほど、なぜか調子が良い。
私の知ってる範囲でいうと、
剣道や野球やゴルフといったスポーツをする際にも、共通して自然の動きが使われています。
体の使い方など、いわゆる“コツ”と言うやつでしょうか、これ全て自然の動きです。
一人で何升ものお餅をつける小柄なおじいさん。
合気道で巨漢の男たちを投げまくるご老人。
自然の動きは、引いて相手や物の力と重みを利用されています。
まさに「柔よく剛を制す」引き算の美学です。
こんなことを思いながら、荷物を運んでいました。実際は、しんどいっす。重たいっす。
昔から遺伝子レベルで受け継がれてきた感覚だと思います。
この自然の動きを、感覚的にわかってるっていうのは、日本人の良いところです。
「押すではなく、もっと引いていく」
日本人がこの良さを、一番知ってる部分でもあり、忘れかけている部分でもあるかもしれません。(私自身、鍛えないと〜!!!)
さぁー!みなさん、元気を出して、これから大掃除ですね!
力仕事をするときは自然な動きという大切なことを教えてくれます。
家の大引き算して、断捨離して、楽しいクリスマス〜2020年へと良い年を迎えましょうね!