こんにちは、キコリのよつつじせいごです。
今回は大変ご好評いただいている“山であった不思議な話シリーズ”の第4弾です。
この不思議な話シリーズは、20年のキコリ人生の中で、私が本当に山で体験した不思議な話をお届けします。
▼これまでの不思議な話はこちら
2020年の初夏のことでした。
私たち作業員3人はいつも通り現場へと向かいました。
この日は間伐作業で、
Aさん⇨重機で作業道作成係
Oさん⇨倒してある木を造材係
私⇨木材運搬車で搬出係
このように役割を分担し、日々順調に進めていました。
ただ、この日は朝から気になることがあったのです。
Aさんの顔色がいつもより若干青く感じ、体調が悪いのかなと察したので、尋ねてみると「大丈夫です。」との返事がありました。
笑顔こそありませんでしたが、私の思い過ごしかと、仕事をはじめることに。
重機で山奥へ道をつけていくAさん。
Aさんの後から50〜70mあたりで造材していくOさん。
Oさんが作った材を運搬車で運ぶ私。
午前中、順調に作業を進めていきました。
Aさんのつける作業道が山奥の谷分かれ地点に到達したようでした。
ここからはかなり急勾配があり岩がゴロゴロ出てくる山林です。
作業道はどうやってつけていくのか?
これまで他府県で経験を積んできたAさんの腕が試されます。
私は木を運びながら、遠目に彼の様子をお手並み拝見の気持ちで見守っていました。
あれは確か、お昼前だったでしょうか。
その時、突然。彼は作業をストップしてしまうのです。
まだ11時半くらいやし、お昼休憩にしてはまだ早いな、段取りの相談かな?
作業を止めて、私の方へ歩いてくるAさん。どこか足取りが重い様子でした。
Aさんが私に近づくにつれ、朝よりも顔が青く、あきらかに体調が悪そうなのがわかりました。
Aさんは無言で下を向いていて、目が合いません。
視線が定まらないAさん。ポツポツ話し始めます。
顔が青ざめていて、いわゆる戦意喪失状態です。
話を聞いていくと、実はここ2日間くらい、誰かの視線を感じていたようで、何度か重機を止めては、付近をキョロキョロしていたのだと言います。
普段から霊感的なものを感じない私には、日射しが差し込んだ気持ちのいい山の風景にしか見えませんでした。
大人がこんな状態になるのはあきらかにおかしい。この現場よっほど何かありそうやな。
私たちは午前の作業を一旦終了することにしました。
昼休みのうちに、地元の食料品店でお酒と塩を買ってきました。
午後イチでAさんが作業していた場所へ向かい、お酒と塩でお清めを行い、全員でどうか無事に作業が終わりますようにと手を合わせました。
体調不良を考慮し、万全な体制で挑むために、この日は作業をやめて撤収です。
翌日朝、Aさんはケロッとしてて、昨日何事もなかったように淡々と作業を続けて、無事に現場作業は完了しました。
あれは一体なんだったのでしょうか?いまだに原因がわからない不思議な話です。
実は、私にも似たようなことがありました。
よく一人で現場の下見へ行きますが、山を歩いていると、ごく稀に、「ゾクッ」とする場所があります。
霊感のようなものを感じることはないのですが、
「もしも、映画の貞子のような髪の毛の白い人出てきたら・・・。」
「もしかしたら、昔ここで何か悲しいことがあって、霊的なものが今も・・・。」
「怖いことを考えているのは、この世で今自分だけかも・・・。」
とか、悪いことを想像してしまうと、負のループになりかねないので、そういう時は潔く山を降ります。
今回の話もそうですが、山では危ない、「ゾクッ」とするような変な空気、変な物音を聞くこともあります。
もしあなたがそんな状況になったら、一旦心を落ち着かせ、すぐに山を降りてください。
「やっとここまで来たのだから」「引き返すの面倒だし」とか理屈じゃありません。無理をせず素直に引き返して退散しましょう。
何より山では自然が優位です。人が圧倒的に不利なので、自然に合わせることが大切です。
こちらの不思議な話もあわせてご覧ください。