こんばんは!四辻木材のよつつじせいごです。
京北は梅雨っぽい感じになってますが、夜はすごく寒く、いまだにスウェット上下で寝ています。
さて、今回は先日のイベントに参加いただいたI様とお話した内容からです。
『四辻さん、お話大変よかったです。まだまだみんな山のことを、ほとんど知らない状態と思われますし、いきなり“林地残材を使ったものづくりを!”と言うよりも、木を伐ることは自然破壊ではないんだよ!っていうところから、実際に仕事をされている方の立場から伝えて欲しいです』
↑こういう視点。山の中で木こりをしているとなかなか見えないもので、私は持っておりませんでした・・・。I様教えていただきありがとうございます!
こういったご質問やご意見にも今後ブログを使って具体的に対応していきたいと考えております!
目次
結論から言わせてもらうと、
A.いいえ、自然破壊ではありません。
というのも、林業という仕事は、
「木を伐ったら、植えます。」
木を植えることで山の自然や水源を維持しています。
伐ったら植えることで、様々な年齢の木を育てています。
育った木を、倒れる前の大きさのちょうどいい頃合いをみて伐ります。↓チェンソーによる立木の伐採の様子はこちらに貼っておきます。
我々木こりは、このサイクルを繰り返しています。
なにより国内では、木を伐る量より、1本1本が太って増えている量の方が上回っており、少し古いですが、毎年国内の木の在庫は増え続けているというデータがあります。
世界最先端の林業地ヨーロッパ、北欧諸国の林業は、国内の森林の1年間の成長量が完全に把握・管理されていて、成長する分だけの木を伐るという方針で、山林を循環させてます。
自国の森林資源に対する年間伐採量のグラフ内の日本をみてみると、在庫に対し伐採する量が1パーセントを切っており、貯蓄が増える一方です。
A. 大きくなって太った木は、放置しておくといずれ倒れてしまうからです。
人が植えた木ていうのは、いつか倒れます。
現在、日本で一番多い戦後大造林時代の木(70歳〜80歳)というのは、昭和25年以降国の政策・大号令で、私たちのひいおじいさんとおじいさんが若い時、家の孫の代(私たちの世代)が使うために、豊かになるように植えられた木です。
私たちの地元では100年前後で倒れるケース多くみられます。(全国各地で異なります)
縄文杉や神木、文化財級の大木になるのは、地形や気候、周囲の環境に守られて生まれた奇跡です。
このような奇跡は起こりません。
昨今の異常気象による洪水、台風、地震で倒れたら、木は、資産としての価値がなくなり、自然破壊につながるケースも出てきます。詳しくはこちらのQ&Aページで紹介していますのでご覧ください。
まずは林業は自然破壊ではないということを、特に若い世代の人たちに知ってもらいたいです。
林業は伐ったら、植えて、育てて、伐るというサイクルが昔からある。
国内の森林資源は増え続けているが利用頻度が少なくなっていることを知ってもらいたいです。
今回は、イベントでI様とお話した内容をヒントに、質問にお答えさせていただきましたが、これから林業や京都の山のことについてみなさんのご質問にもお答えさせていただきたいと思っております。
京都の山の仕事に関心のある方、京都に山があるが管理について知りたいことがある方。もちろん学生さんはウェルカムです。些細な疑問や知りたいことがあればこちらから教えてください。
(※内容によっては返答の代わりに、後日こちらのブログでまとめてお答えさせていただく場合がございますのであらかじめご了承ください。)
最後まで長文を読んでくださりまして、ありがとうございました!