こんにちは、四辻木材のよつつじせいごです。
いよいよ夏も終わりに近づいてます。それにしても、ほんまに暑い夏でしたね。
これまでに、四辻木材のブログをご覧いただいている皆さまから寄せられた、私たちの林業のことや山林について、ご質問にお答えする新コーナーをはじめます。
今回のご質問はこちらです!
「山を伐採したあと、そのまま放っておけば、もののけ姫に出てくる原生林みたいになっていくんじゃないの?そうなった方が素敵だし良くないですか?」
と聞かれたことがあります。
結論から言ってしまうと、「山を放っておかないで、木を植えてください。」山の持ち主さんのためにも、地元の経済のためにも、地域の水源のためにもです。
こんなツイートをしました。
伐った跡を
そのままにすると原生林になるからよいのではないか?という方がたまにおられる
原生林になるには何百年もかかるんではないかなここは15年くらいこのまま
風景は変わらないですそれなら
植えていった方が早く森になって
何か経済を生む可能性があります pic.twitter.com/xjmdEqP8Cr— せいご|京都駅から50Km北の町のキコリ (@4224jp) August 20, 2020
私の短いキコリ人生の中でのお話なので、申し訳ないのですが、伐採したあとのこの山の風景は、約15年前からまったく変わっていません。
シキミ、アセビなどの中低木が少しだけ大きくなり、下草は枯れては生えるの繰り返し。
鳥のフンや風にのってきたタネが芽吹いたり、シカが新芽を食べたりを繰り返して、森林になっていきます。
原生林のようになるのは、その後ですよね?果たしていつできるのでしょうか?
林業歴史関係まとめ
恐竜が絶滅した氷河期が終わって暖かくなった日本に雨降りまくってスギがたくさん生えていって森林に覆われた
その森林を
弥生〜奈良〜鎌倉・室町〜戦国〜
安土桃山〜江戸
1000年近くかけて
伐りまくっていったとなります
— せいご|京都駅から50Km北の町のキコリ (@4224jp) August 3, 2020
現代まで最後に残った原生林が、白神だったり屋久島だったりします。
もののけ姫に出てくるような、原生林まで戻るには、1000年程度では戻りません。
氷河期が約1万年前に終わって、温暖多雨になり、スギが日本中にはえて原生林になりました。
人間の時間感覚では、考えられないほど遠くの時代にやっと原生林ができるのではないでしょうか。
想像もできない未来へ山を放っておくより、今いる私たちが、30〜100年先の子供たちや孫世代の未来のために、山を大きな田んぼや、野菜畑と同じだと思って育てた方が良い。
少し先の経済になる木を植え、伐採して利用するサイクルを作る方が、産業がうまれるかもしれない。
ハゲ山のママよりも土砂崩れは少なくなるし、なにより持ち主さんの資産になるので、最良だと私は考えています。
「山を放っておかないで、木を植えてください。」これが私の答えです。
この他にも、ご質問にお答えしてますので、こちらもあわせてご覧ください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。