先月より京都市右京区嵯峨越畑(さがこしはた)にある愛宕山(あたごさん)の中腹の現場に入っています。
この現場は府道沿いにあり、昔の田んぼ跡に杉が植えられた土地です。田んぼで育った木と、山で育った木、外から見たら同じように見えますが、実は中身が全然違います。(このことはこちらで書いています。)
今回は私たちの仕事をみなさんに見ていただこうと、木の伐採から搬出までの現場風景を、写真や動画にしてみました。
木の直径は30~35cm(胸の高さくらいの位置)の杉が並んでいる林で、土地の広さは0.3ヘクタール(3000平方メートル)程、感覚で言うと甲子園のグラウンド半分くらいやと思います。
いきなり写真を撮り損ねましたが、僕たちは作業に取りかかる際、山入りの儀式を行います。これは山にお酒と塩をまき、作業の安全を願い山の神様に拝むというものです。
山の神様は女性で男とお酒が大好きであると聞いています。このお清めの酒でごっつ喜ばれるそうです。実際この儀式を行わなかった山では事故や損、怪我など多いです。
作業がはじまり、木を伐っているのは当社自慢の伐採師・Fさんです。町内ではこの人の右に出る伐採師はおられないと思います。
仕事がはやく、安全で、確実。脱ぐと体が北斗の拳。
こちらの『事例紹介』のコーナーの中にも書いている『木は立っている時が第一の人生、伐って使われてからが第二の人生』はこの人の言葉です。仕事でも人生の先輩としても尊敬しています。
この時点でFさんの仕事は終わり、次の現場へ向かわれます。
いよいよここから私ともう一人の従業員Mさん、日立さんの高性能林業機械、大型トラックの面々の登場で搬出作業がはじまります。
今回伐った木は、全部杉の木ですので4mに切って市場へ出荷します。
4mに切る理由は、一般の家の天井までの高さが3mで、1mは大工さんの加工部分が多いということで、全国的に市場の標準の出荷されるサイズになっています。
僕たちは林業機械で木を優しく、優しく傷つけないよう、女性にふれるかのように木を掴むのを心がけています。
木の曲がりや傷、キツツキの巣穴、熊が皮を剥いた跡ななどの癖をみて悪いところを切り良いところを残し、切る。これを『木取り』といい、木の価値を最大限にして市場へ出荷する重要な作業です。
いかがでしたでしょうか?これが私たち四辻木材の仕事です。
以上、伐採現場よりお伝えしました。