こんばんは。四辻木材のよつつじせいごです!
夏が到来です!暑いですね〜。梅雨の時期は現場ストップすることも多かったので、WEBサイト内の工事に取り掛かっていたり、この本を読んだりしていました。
樹木たちの知られざる生活: 森林管理官が聴いた森の声 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
見た目とっつきにくいでしょ?ぶっちゃけ私もこういう本は、図書室感がすごいので苦手です。
ドイツの営林署員さんが書かれた本ですが、筆者は、全体通して、木を人間のように捉えて書かれており、まるでコミュニケーションのビジネス書のようでした。
このお話ですが、ざっくり言うと、「木を人のように扱うことが大事」という内容です。
読んでいて普段から山の中で木と触れ合っている木こりでも、目からウロコが落ちることが2つあったので紹介します。
【樹木には自分で自分を守る能力がある】と書かれています。
例えば、
【アフリカのサバンナ、キリンの大好物・アカシアの葉の場合】キリンがきたら危険を周りの仲間に知らせることができるようで、警報ガス(エチレン)を出し、香りのメッセージで周りの仲間に知らせます。
有毒物質を葉に集めて、うっ〜まずい!効果でキリンを追い払おうとします。
【害虫に葉、皮、幹をかじられると、かじられた周囲に防衛物質を集めて、変化する】
木は害虫にかじられると、まるで人間が痛みを神経で感じるように。電気信号で全身に伝えることができます。
ナラは、川を食べる害虫を殺すタンニンを皮の内側に作ることができるようで、ニレやマツは、害虫の天敵ハチを呼ぶ蜜を出します。
木は、自分たちに危害を加える相手を認識していることを知りました。
【根が繋がっていて会話してる!】と書かれています。
地上で伝えるのと同時に、地下で繋がる仲間たちと根っこでもコミュニケーションしていて、このメッセージは化学物質だけでなく、電気信号が使われています。
森の土の中には菌類が存在し、菌糸が網状に張り巡らされているんですね。
菌類はインターネットの光ファイバーのような役割を担い、細い菌糸が想像もできないほど密な網を張り巡らせています。
たった一つの菌が数百年の間に森全体にネットワークを張り巡らせ、菌糸のケーブルを使って、根が交わっていない木から木へも情報が送られてくることで、害虫や干ばつなどの知らせが、森全体に広がります。
このネットワークのことを”ウッドワイドウェブ”と呼ぶ学者がいるそうな。
菌は単体では生きれないから、栄養を木の根からもらいます。まるで通信料金を木に請求しているような。
また菌類は他の種類の植物とも情報を交換している可能性もあります。
森が全部繋がっていて会話していて、日本は約7割が山!ということは、、、、!
全ての植物のコミュニケーションを担っているなら、ほんまにインターネットと同じですよね。
以上、私がこの本を読んで目からウロコの内容です。いや〜びっくり!
この本を読んだことで、一本一本『お疲れさん、次の人生も頑張ってね』と送り出す意識の解像度が上がったような気持ちになれましたが、『伐採しにくる私たちを木はどう認識してるんやろう?』という疑問が残りました。
読んだ後は、周囲が少し変わった気持ちになる本なので、私にとってはとても良い本です。
樹木たちの知られざる生活: 森林管理官が聴いた森の声 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
皆さんのご自宅、ご実家の庭にある木々もいろんな所から運ばれてきたけれど、同じように根で繋がってる仲間です。
菌ネットを通じて話し合っていて、私たちのことをあーだこーだ話題にしてるのかもしれませんね。植物を大切に扱っていくと嬉しいでしょうね。
木を人のように扱う、私たち木こりの仕事と考え方が同じなので、自然に関わる人、外仕事してる人なら、ぜひ読んでもらいたいです。
一足早めの夏休みの読書感想文を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。